2006年夏の築地 生鮪のセリ場 符丁の怒声を耳に 濡れたコンクリートを渡り歩く 産地というのは世界中くまなく広がっていて海外で水揚げされた物も多いがやっぱり国内近海物が旨そう ドライアイスの煙たなびく冷凍物のセリよりなぜか少し緊張感のある生場の方が好きだ 西誠や大萬など鮪中卸を見て回ると西誠に自分が美味しそうだなと思っていた蛸島の物が入っていた ざっくり切ってバックリいくか、かき身の鉄火丼なんかこの場で食べてみたい 今度機会があったら炊飯器持ってこよう
唐津市場の2階には地元の人に人気の回転(海転)寿司があるが、毎日入り口に数十名の人が並んで入店を待っている 店内は常に満員ゆえにお寿司もクルクル景気よく回転 人が少な目の時間を見計らっても席につくまで待つ事20分 廻る寿司を眺めながめながら「うぁっ あれ何?」「あーフグが廻ってる」などとお預けを喰らい、他の人に食べられるのを見るともう無くなるのではないかと子供のような心配 <さざえ> <鯨> 日本で回転寿司に入るのは10年ぶり、いつでもいけると思ってるとなかなかいけない 長い事ご無沙汰したけど回転すしの気兼ねなさは大好き ほとんど廻りの空気を気にすることなく回り行く寿司だけを眺め、色々伝えたい事がある気持ちをカウンター越しに表せないヤキモキもない <これは一体> <鯨ベーコン> ここはトラフグが廻っている事で有名らしい 虎視淡々でさっそくやってきたそれを <皮> <白子> <とらふぐ> <丸々> ふと気付いたが、お皿を下げてもらえないので恥ずかしい だんだん隣りの子供が「バカなオヤジがいる」って感じで面白がってるし 「坊ちゃん、これは10年分なんだよ」 <クラゲ> <頭もついてくる> キッチンのそばにいたので熱々の「フグから揚げ」を登場と共に手をかける <赤貝ひも>天然でんねんの鯛、平目 2種 フグ皿と同じ色でそこがちょっと心配 店内唯一の気兼ねはこの皿の色 豪華色だとつい見送ってしまう こういう優しげな皿でしかも好物のサヨリとかが安心で嬉しい 熟れたメロンは別腹遊園地で過ごしたようで楽しかった昼食
フグと一口に言えど千差万別お茶漬けの素に使われるサバフグなども唐津ではセリにかけられるし、トラフグの中にシマフグが混ざっていたりもする <サバフグ> <混ざるシマフグ> ナシフグなどにいたってはプロでさえ外見上だけでは他のフグと見分付きにくいらしく場内に見分け方の張り紙を見た大きさの揃った養殖物に比べ、天然トラフグのセリを見ていると大きさがマチマチで小さいものは5センチ程度のものからドップリとした3-4K級もいる 眺めているとやはり天然で容姿の美しい大ぶりなものが旨そう 天然の中には歩いてこちらに来る奴がいる気のせいか養殖には怒る奴が多い下関は周知の通りフグの産地ではなくその集積地で長崎、玄海灘、四国、など他の水揚げ地から集まってくる、この内 天然物は約10% 最近はこの10%のなんと6割が静岡、愛知沖で獲れているらしいが、やはり県人に言わせると山口粭島辺りで獲れる物が最高とされている流布 しかもオス東京や大阪には天然トラフグの口上を良く見るが、10%がこんなに流通しているのかという疑問もあるし、たとえそーでもそのまた6割は愛知産で想像する「瀬戸の荒波乗り越えて~」ではない その中で大きさの十分なオスとなると、、、セリを目の当たりに卸値などから逆算して良い天然というのは 「どーなんでしょう?外で食べるとして」と仲買さんにぶつけてみる「うーん1人前3万5千以下は不可能じゃない」 それに天然なだけに個体は様々、一番のものを落とした仲買さんについていってそれがどこに流通されるのか追っかけて店に辿り付くしか我々素人には本当に旨い物に辿り付く道はなさそうである旨いふぐを語らせたら右も左ないという方がいらっしゃたらご教示願いたい 今年1番?
3am 過ぎ 一斉に各業者名が記されたタンクからトラフグが出され台車に移される 生簀の方も引き寄せられトラフグの魚影が水面にセリ場には小さな青いトレーでコの字型に囲まれたスペースが用意され、台車から一斉にトラフグ達が放出される コの字スペースはいくつもつくられどんどん仕分けが進む いきなり外にだされたフグはヒレで床を叩き回りその音は凄まじい末端価格は想像もつかないほどの量を目の当たりに、意外に食欲は湧かないというかこれだけいると怖い 手早い仕分けその後はセリ場に移動し例の袋セリが始まる 怒号の中、この寒気でもセリの取り仕切りはシャツ1枚で肩口から体温上昇で白煙が立ち昇る袋の中ではかなりややこい事が行われている様
ふぐセリといえば下関 南風泊市場、天然とらふぐが皿にもられる前の雄姿を拝み、どのようなものが珍重されるのか興味あり彦島に<前の日に静まりかえる現場を下見> <埠頭隣接の生簀> 事前に電話で確認を取るが 「生産者の方ですか?」 「買い付けの?」 「研究」 「メディア、報道?」どれにも当てはまらない素人なので「物好きです」としか言い様がないが「物好き1名で」承諾をいただくセリの開始は築地より数時間も早い、3時半 「1人で行きなはれ」誰もついて来てくれなさそう 夕食に鯛のそぎ造里、ヒラマサ ふぐの宝楽焼き早寝早起
今日は市場で"なまこ"と飛び跳ねる"シャコ"を購入 青、赤あり、こちらでは赤が上物らしいが今日は青なまこ どちらにしてもこんな鮮度のものはアメリカにないので満足 辛いおろしに一味とネギ キュキュキュと音がするよう 磯味
久し振りの辛い大根に喜びサラダをつくる (アメリカの大根は甘い)
活きのいいシャコは奇怪な造形も美しく見える 跳ね回って大変
香港ではよく大ぶりのやつをガーリックで仕上げたものを食べていたので今日はそれらしきものを作ってみる ガーリックにネギ、塩・胡椒 醤油 フライパンで炒りあげる 甘味がでて旨いと好評 <腕より鮮度 あたらしければどーしたって旨い>
子供の頃はおやつ替わりにザルに茹でしゃこを山ほど食べていたというMさん 早速茹でて皮まで取ってくれる <旨い~> 熱々を醤油とか酢とか色々 沢山あるのでマヨにも挑戦 この熱いのを さっとお鮨にしたらと色々考えニヤついてたら「あんた安上がりな男じゃのー」
唐津では一般購入も自由なので、食指向くまま購入 まだ動きのあるイカ お世話になっているKさんのキッチンをお借りして刺身にしたら口内に張り付くような弾力と甘味心地よい歯応えに悶絶 活きてるものを食べつけてないことをシミジミ刺身も旨いがさっと軽く揚げたものもさらに甘味増し柔らかく食べ易い 内臓揚げ 清廉な味こちらは天然ということで1匹買いをしてみる ベイエリアの高めの鮨屋さんで鮨を1オーダー程度の価格と同じ 色艶やか 目の深遠まで光る ざくざくと刺身 カマの塩焼き、照り煮 食べきれない程 日本の人達は普通に旨いもの喰ってるなー
市場内の一角、女性ばかりが占拠して鮮魚をうりさばくコーナーがある、朝早くから各店舗では出し物の準備がテキパキ側を通ると必ず 「ニーチャーンこれ安くしとくよー」「持ってって~」と声をかけられる その調子は俄然押し売り風でなく軽い挨拶でかわしていける 「これはねー"フカ"よ 知らない?ほら サメよ」 「持ってく?」
1本釣り鯵 このセクションの特徴は近場の海からあがる小魚の豊富 まとめて鍋にいれたらハァーっとなるに違いない
色んな蟹、メバル、カレイ 皮はぎ穴子 磯の小魚
高級魚と呼ばれる獲物はないが、キラキラ光る地物の容姿を眺め歩くのは楽しくてしょうがない
唐戸市場内には築地のように多くの飲食店はない 午前6時頃 明かりの灯った"よし" 1番ノリと思ったらあっという間に満席 800円!ホントに? 「3人前お願いします」「天気悪くて入荷がないのーゴメンねー」
メニューが多いので悩むが ここならではの物にしようと「地元ウニ定食」 大鍋で炊かれた色んな魚のアラ煮付き
ご飯にのせて~ ウニの後を甘辛つゆのアラでおいかける 備えあれば憂い無し 写りきらない調味料はメニューの多さを物語る
下関市地方卸売市場、"唐戸市場" 4am 買い手はまだ多くないが、売り手熱気は高潮 フルラインアップで海鮮がフロア-に並ぶ "まばたき" したかと思った ウチワのから揚げは海老フライより旨い 木箱1枚でこの値段眠気も吹き飛ぶ朝の市場 食い気ムンムンで歩き回る
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