街の中心からは外れた住宅街にひっそりとある。午後の遅い時間は生まれたばかりの赤ちゃんを抱き連れた夫婦がやってきてゆっくり過ごしたりするローカール店。このブロックにはこの店1軒しか店がないので、夜になるとぼーっと店先に明かりが洩れる。夜は盛況。パーキングを探すことさえ難しい。
キッチンに面したカウンターに座れば、焼職人が直接オーダーを聞いてくれるから、色々変則的なオーダーもできる。ちょっとピザの寿司屋版のような風情。
オーダーが終わると、ドウをコネコネ広げることから始まる、オリーブオイルを引きトマトソースを回しかけ、大き目のサイコロ大のモッツアレラを表面に配置していく、焼きあがると溶け流れたチーズはクラストを丁度いい具合に覆う。
ここのピザを唯一とさしめる理由は3ミリほどのクラスターと新鮮な材料。焼き上がりを切る時はセンベイを切っている様な音がする。大きくも無く、極薄なので、1人で1枚は軽々と食べれる。
メニューには地元のオーガニックプロデューサーから出来るだけ材料を買う事を心がけていると記載がある、食べている最中もカウンターの向こうでは、豆をさやから外したり、チーズをブロックから切り崩したり、色々な材料の準備に余念がない。その材料の質からか、1枚食べてももたれるといった事はないし、他のピザパーラーと違って太っている客が少ない。
ピザにのっかる塩辛いアンチョビが好きなのであるが、ここのは塩の薄い青背のキラキラした生感覚のアンチョビが並ぶ。かすかに漂う魚の風味がバジルとトマトに混ざり合う。
ここのピザの1枚は他の店の1切れにも満たないボリューム、アメリカで1切れ10~13ドルはとても高いピザだ。普通のピザなら車のホイールのようなサイズが買えるところは幾らでもある。
店が地元の頑張る生産者をサポートして、地元のお客が店をサポートするというサイクル。
小さい店からでも違いは作れるともメニューにはある。
生地コネ 生チョビ
After Dark, Light, Commune
211 23rd Ave San Francisco (415) 379-9880
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