今日は "Chinese New Year" を締めくくる盛大なパレードがあって市内の中心部は交通規制で知らずに入り込んできた車は大変だったよう。
店員が手まねきして「ここ特等席だと思わない?」という窓際に歩む。クールなドレスと店内ミュージックの向こうに透けて見えるユニオンスクエアには西遊記やカンフーの格好で蠢く数千の人々、西と東が薄膜で隔てられた不思議な空間。
Show through Gucci
喧騒をさける為、Ellis St の出口から車を出し、夕食を "Quince" で。イタリアンであるがフレンチ手法も織り交ぜたという、2ヶ月前にオープンしたばかりの新店。
鰆のRotolo は中心が薄っすらとピンクに残る柔らかい仕上り。Meyer lemon と Picholine Olive の細かく刻んだものを沿えて、Tardivo Radicchio のサラダは今までのラディキオの印象を払拭するフレイバー、強い苦味がまったくない。
Guinea hen の肝で作られたソースとUmbrian Pepper という独特の風味の香辛が加わった極細 "Tajarin" パスタ、旬のカニをつかった"Tagiliolini" これらのパスタの食感と喉越しの快さは、ズルズルっと吸い上げる時に唇を通過することで増幅される。
アメリカ人はスプーン上でクルクル回して束にして食べるのが好きだが、フォークしか渡されない理由はここにあるかと、
メインにシェフのストレートパンチであろう、第2部の胃&"Parmigian Reggiano"を使った"Gratinata" と豚肉3点盛りの2皿。
素材とソースの成り立ちに新風を感じるが、今まで市内になかっただけの事、実はOLD WORLD からの賜物を巧みに伝承する欧と米の間に小さく開いた窓。なにも目新しいものではない。
店は市内で最も高級な住宅地であるパシフィックハイツのお膝元にある、客層はここの住民が普段着でやってくる、7代先まで働かなくていい人達。このような人達はヨーロッパへも頻繁に出かけるのであろう、食へ対する構えはワイドオープン。胃だろうが腸だろうが魚に火がはいってなかろうが、一般のアメリカ人のように怯んだりしない。
女性オーナーの"Linday" が各テーブルに回り軽い挨拶を、
「パスタが美味しい」と話すと
「日本には色々と美味しいパスタがありますよね」 そんなパスタ好きの人達に誉めてもらって嬉しいと、
「日本に美味しいパスタが色々ある」
そんな造詣のある事をさらりと言ってのけるオーナーはフィッシャマンズワーフやイタリヤ人街のノースビーチにはいない。
2004年度、ブルーチップの店
Tardivo Raddcchio

Tripe

1701 Octavia San Francisco (415) 775-8500
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